フィリピン株.com TOPIC NEWS 2019年10月16日号 鈴木信宏
ビッグチル、2020年前半に上場へ
出典 Inquirer Net
リリース日:2019年10月16日
フィリピンの農業・食品事業を手掛ける事業体としては最大手のアグリナーチャー(ANI)は、ジューススタンドを展開する子会社のビッグ・チルについて、2020年前半の新規株式公開(IPO)の準備を行っていることを、フィリピン証券取引所(PSE)の開示情報で明らかにした。
ビッグ・チルの親会社であるアグリナーチャーのCEOアントニオ・チュー氏によると、IPOに関する目論見書は今年の12月までに提出予定だが、実際のIPOは2020年の前半になる見込み。IPOは2017年に同社が予定していた6億ペソ(約12億円)よりも規模が大きくなり、10億ペソ(約20億円)の資金調達を予定している。
同社の株は、IPOの後には、30〜35%の一般公開株となる見込み。
アントニオ氏
「ビッグ・チルは、長年の計画を経て、現在IPOに向けて最終局面に入っています。同社は、製品の規模を拡大し、新たな成長要因と共に、ベジタリアン向けの食品小売業の多様化と、ブランド飲料のキャッシュレス自動販売機の展開も視野に入れています。」
ビッグ・チルはIPOに先がけて、新たな事業として、ベジタリアン向けに肉の代用品となる植物性食品の販売を予定しており、台湾の工場での生産が計画されているという。
また、飲料の自動販売機の展開については、水、ビッグ・チルのフルーツジュース、タリーズ・コーヒーの販売、将来的にはサンドウィッチなどの食品も導入する予定だ。
「当初は台湾のビジネス経済の中心エリアで50個の自動販売機を設置を検討しており、同時にキャッシュレス化するという。現金を支払う代わりに、ウィーチャットペイ、ペイマヤ、Gキャッシュなどからの支払いを可能にする」と、アントニオ・チュー氏は語った。
自動販売機を利用した飲料販売は、ショッピングモールに店舗を構えて販売するよりも、賃貸にかかる各種費用の支払いがないことから、コストを削減できるのがメリットです。アントニオ氏は「かかるのは電気代、インターネット代だけ」と述べています。
ビッグ・チルは、フィリピンの主要な都市において、「ビッグ・チル」のブランドでフレッシュジュースを販売し、タリーズコーヒーのフランチャイズも展開しています。
親会社のアグリナーチャーはフィリピンで収穫された新鮮な果物、野菜の輸出、また国内で卸売事業を行っており、2011年にビッグ・チルを吸収合併しまた。今後の展開に注目したい。
【企業情報】
Big Chill Inc.
111-112 Cedar Mansion Phase 2
Condominium 7 Saint Jose Maria Escriva
Drive, Brgy. San Antonio
Ortigas Center, Pasig City
997-2083, Fax: 511-1287
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